オーストラリア遠征【最終日】

3年 萩原 大貴


 オーストラリアに滞在するのも、残すところあと2日となってしまいました。とは言うものの、明日は朝早くに飛行機に乗ってしまうので、実質本日が最後となりました。
 本日は午前中の内にチェックアウトを行い、アデレードの街を観光しました。オーストラリアを訪れて野球を通じての国際交流を行い、なかなか片言の英語が通じない中、ジェスチャーで必死に伝えていた私達ですが、この最後の自由時間では、それなりに英単語を覚え、初日よりは話せていたのではないかと感じました。
 これまで一緒に引率してくださった、デニー丸山さんとドリューさんと別れ、夜にはシドニーへと移ったのですが、英語が通じない私達の力なさを感じ、やっとの思いでホテルに着き、どれだけ恵まれていたがが分かりました。昨年も選抜チームで訪れた際に、絶対に日本に帰った時は、「英語を覚えてやる」と思いましたが、自分の身になるまでは取り組めませんでした。今回は「必ず覚えて、会話を出来るようにする」とここに皆様に誓います。
 私はオーストラリアを訪れるのは3回目と恵まれています。それは両親をはじめ、たくさんの方に支援していただき、成り立っているものでその支援がなければ私はこんなにも遠征できていないので、本当に感謝しております。またこの気持ちを持ち続けて最後の一年取り組んでいきたいと思います。
 この感謝の気持ちを形に変え、必ず、日本一を奪回致します。

4年 勝又 駿


 本日で中央大学準硬式野球部のオーストラリア遠征も最終日を迎えました。

 私たちはオーストラリア遠征の8日間で、数え切れないほどの多くの貴重な経験をすることができました。その中でも特に三つのことが非常に印象に残っています。まず一つ目は、アデレードのBITEとの試合です。第一試合、第二試合は初回から先制点を取ることができ、終始私たちに有利な展開で試合を進めることができました。日本での試合は大きく点差が開いても「もしも」のことを考え、一点でも多く追加点が取れるよう、セーフティーバントや盗塁も絡めながら攻撃の手を緩めずに行います。しかし、オーストラリアにおいては点差が大きく開いた場合には、バントや盗塁は行なわないというマナーが存在しています。私たちは、それに驚いたと同時に、海外での野球のルールやマナーを学ぶことができました。
 二つ目は、オーストラリアの文化です。オーストラリアの男性は女性やお年寄りの方をとても大切にします。私たちがとてもお世話になったドゥルーさんは、揺れるバスの中で女性が通路に立っていた時、そっと背中に手を当て、転ばないように手助けしていました。素早く、且つ自然にそういった配慮をしているところが、本当に格好いいと思いました。しかし、私たちはというと空港やホテルで女性の方が私たちの横を通ろうとした時、すぐに道を開けてあげることができなく、ご迷惑をおかけしてしまいました。私たちは、常に周りに目を配り、率先して行動できるようにということを心掛けて生活してきたつもりでしたが、まだまだ足りないということを感じました。これ以外にも、オーストラリアの人々の温かさに触れることができました。私たちも、オーストラリアの人々のように、レディーファーストや相手を尊重することなどを実践していきたいです。
 三つ目は、自分を積極的にアピールするということです。日本では、謙虚な態度や行動が美徳とされています。そのためか、私たちはついつい「すみません」という言葉を使ってしまいます。実際、私自身もオーストラリアで人に話す時に何度も「sorry」と言っていました。しかし、デニー丸山さんから、「みんなsorryとよく言うが、それは自分の人格を否定することだ」ということを教えていただきました。オーストラリアの方は、自分の人格を否定するような人と話しをしたくないし、また、それは相手が恐縮してしまうのだそうです。自分の良いところ、好きなところを見つけ、それを武器に自信を持って相手とコミュニケーションを取ることが大切だと学びました。
 これらの三つのことを含めて、国際交流とはどういうことかということを知り、難しさも感じました。しかし、それ以上に国際交流の楽しさと大切さを身を持って体験することができました。アデレードからシドニーへ移動する飛行機の中で、池田監督からも国際交流についてのお話を聞かせていただきました。日本では常識であることが海外では非常識であり、海外で常識であることが日本では非常識であるということがあります。それぞれの文化をもっともっと勉強し、理解を深めなければいけないと思いました。池田監督のお話でもありましたが、私たちはオーストラリア遠征で、日本ならではの良さ、オーストラリアならではの良さを実体験から感じることができました。私たちはそれぞれの良いところを選び抜き、実践していきたいと思います。そして、日本国内だけに留まらず、世界の舞台で活躍できるような人間になりたいと、心の底から思いました。
 私たち年生はオーストラリア遠征を最後に学生野球を引退します。オーストラリア遠征での最後の試合では、年生全員を出させていただき、それぞれが様々な思いを持って精一杯プレーすることができました。私は捕手を守った後、最終回のアウトから一塁手を守らせていただきました。なんとか守ることに必死でしたが、そんな中でも四年間の思いが込み上げてきました。試合に出ている四年生同士で声を掛け合い、ベンチでは後輩たちが笑顔で応援してくれている。私たちは最高の思いをさせていだきました。最後の最後まで私たち一人一人のことを気にかけ、手厚いご指導をして下さった池田監督、走助監督、友哉ベッドコーチ、柳川部長に心の底から感謝しています。
 今、私が思っていることは、ここでは書き切れないほどのものであり、文章では伝えきれません。ただ一つ言えることは、中央大学準硬式野球部の四年間で、たくさんの人に出会い、たくさんの経験をすることができて、本当に本当に良かったということです。今度は後輩たちに、私たちと同じ思いをしてもらいたいです。そのために、これからは後輩たちのために少しでも多くのアドバイスや支援ができるよう、努めてまいりたいと考えています。
 最後になりますが、私たちがこうして一生の財産となる経験ができるのも、私たちを応援してくださる後援会やOB会の方々、そして両親、家族の支えがあるからこそです。本当に本当に本当にありがとうございます。私たちはこれからの人生で、立派に活躍することで恩返しができたらと願っております。中央大学準硬式野球部の卒業生という誇りを胸に、どんな困難にも全力でぶつかっていけるような社会人になりたいです。
 残りの大学生活もあとわずかとなりました。何か一つでも多くのことを後輩たちに残せたらと願っています。今後とも、温かいご声援のほど宜しくお願い致します。
I hope to come back to Adelaide in honeymoon.
 Thank you very much!!
 Shun Katsumata